#19 円に内接する四角形の 公式・小技 シリーズ
こんにちは、医学生Gです。前回は三角形の面積公式シリーズを投稿しましたが、お役に立ちましたか?今回はタイトル通り円に内接する四角形シリーズを紹介しますの。1)~5)までありますので、早速みていきましょう。
1)対角の和は180°
円に内接する四角形の対角線を挟んで向かいあう角の和は180°である。上図参考にしてもらうと、α+β=180°ということです。
これにより、四角形の内角が1つわかったら、向かいあうもう1つもわかります。また、自分でθと置いてあげるともう1つの角度が180°-θとなり、これにより正弦余弦定理を使うことにより問題が解けたりもします。基本的な性質ではありますが、とても重要です。
2)ブラーマグプタの公式
上図のように円に内接する四角形があって角度はわからないが、四角形の全ての辺の長さがわかっている時に面積を以下のように求めることができます。
※
ヘロンの公式に似ていますので一緒に覚えるといいと思います。ちなみにヘロンの公式は#18 三角形の面積公式シリーズで紹介しました。
この公式を知っていると円に内接する四角形のみではありますが、四角形の面積を一撃で求めることができます。面積がわかれば角度も求めることができるので覚えておくといいでしょう。
ちなみにですが、角度の求め方は上図のように1つの角度を自分でθと置いて求めます。
四角形の面積=
=
これで計算すればsinθの値が出てきます。
3)知っていると役立つ小技その1
上図のように普通の四角形があるとします。△ABDの面積を、△CBDをとすると以下のことが成り立ちます。
=
=
上下の三角形の底辺は共通ですので面積比は高さの比と同じになります。
さらに上図のように斜線を引いた2つの三角形は相似な三角形であるので
=
となり、xとyが面積比とも同じになります。
4)知っていると役立つ小技その2
今度は円に内接している四角形の話をします。上図のような四角形があるとします。三角形ABDの面積を、三角形CBDの面積をとすると以下のことが言えます。
=
=
=
までは3)と同じです。円に内接していると面積比がaとb、cとdの積の比で求めることができます。
なぜそうなるかを説明していきたいと思います。
そんな難しい話ではありませんので、さっと読んでみてください(笑)
上図のようにαとおくと1)より対角は180°-αとおくことができます。すると面積は
すると
=
=
となります。
これと5)を組み合わせると
=
=
=
となりますね。
個人的にはを覚えておきさえすれば簡単に比の問題が解けるのがあったので、最低でもこれだけは覚えておきましょう。
5)トレミーの定理
上図のような円に内接する四角形があるとします。すると以下のことが成り立ちます。
証明は補助線をひきますのでちょっと大変ですけど、見る元気のある方は読んでみてください。でも補助線1本だけでイケちゃうところがすごいですよね 笑
証)対角線AC上にを満たす点Eをとると、
(※円周角)をあわせて、
△ABD∽△EBC
よって
DA:BD=EC:BC
①
また,同じく より
よって
(※円周角)をあわせて、
△ABE∽△DBC
よって
AB:AE=DB:DC
②
①+②より
以上より
(証明終)
今回は基本的なものから知っておくと役に立つ性質、公式、定理を説明しました。2013年のセンター試験の第3問ではたしかトレミーの定理が使えたような気がします。
頻出とは言えないかもしれませんが、必要な時にはちゃんと思い出せるようにしっかりと覚えておきましょう。