#21 同じものを含む順列
お久しぶりです、医学生Gです。 長らく投稿できず、すみませんでした。 また、少しずつ記事を投稿しますのでよろしくお願いします。
今回は同じものを含む順列のお話です。例えば"AAABBCD"の7文字を並び替えるとき、場合の数は7!を3!と2!で割ったものになりますよね。なぜ"〇! (階乗)"で割るのかというのを簡単に説明していこうかと思います。よくわからないけどとりあえず割ってる人ともいると思いますので、そんな人はぜひ今回の記事を読んで理解を深めていってください。このことに関しては2)~4)の3つのパターンで説明してみますので、理解しやすいものを探してみてください。
1)【復習】積の法則
これからの説明を理解していくうえで必須のものです。積の法則とは、つぎのような当たり前のことを指します。
基本的にある事象Aの起こり方がa通りあった時に、その各々に対して事象Bがb通りある場合、場合の数はa×bになります(積の法則)。
例えば一枚のコインを2回投げ、そのときにでる表裏のパターンを考えると
一回めが表か裏の2通り、二回目も表か裏の2通りで、積の法則により2×2で4通りとなります。実際にパターンをあげてみると、一回目二回目の順に
表表 表裏 裏表 裏裏
の4通りとなっています。
↓(参考)積の法則を表で考える
2) 図を用いて説明
まずは〇〇□□の並び替えを考えてみましょう。
実際に描いてみると
上図のように〇〇□□つの並び替えは6通りになります。もし、〇、□の中身が区別されるもの(①、②、□1、□2 など)ならば、この6通りのうえにさらに積の法則で〇、□の並び替えを2通りずつ考えるので 6×2!×2! となりますよね。
つまり、〇、□の中身が区別されるなら6×2!×2!通り、〇、□が区別されないなら2!×2!が不要なので、6×2!×2!から2!×2!をとってあげた6通りになります。この区別の有無と式の関係性を1)を通して理解してもらえると嬉しいです。2!×2!を取るためには割らないと消せないですよね。これが、階乗で割るという操作にあたるのです。
では、AAABBCDの場合はどうでしょうか。まず、A3つ、B2つの中身を区別しておいて、異なる7つのものの並び替えで7! 。でも実際はA3つ,B2つの中身の区別は必要ないので考えないので、7!から3!×2!をなくす必要があります。そのため7!を3!×2!で割ったものが求める場合の数になります。
3) 言葉で
AAABBCDを並び替える。AAABBCDを並び替える時、もしAとBがそれぞれ違うものだったら、並び替えはただ単に7!になりますよね。
この7!の中ではA3つ、B2つは区別しなくてもいいのに、区別してしまっているため、場合の数が本来よりも大きくなっています。このとき、A3つ、B2つの内部の並び替えである3!×2!ぶんのパターンが過剰にカウントされている状態なので、これを解除するために7!を3!×2!で割る必要があるのです。
4)の書き下しを用いた考え方
コンビネーション()しっかりと理解できている人なら、この考え方で機械的に理解できるかと思います。
これを用いて考えましょう。
上図のように7つの○の中にABCDを入れていきましょう。Aが入るところは7つのうちの3つ選ぶので、通り、Bが入るところは残り4つから2つ選ぶので通り、Cは残り2つから1つ選ぶので、Dは残った1つになります。
よって求める場合の数は
整理すると
2)3)の答えと一致しましたね。
多少、式が長くなりますがこの方法でも答えを出すことができます。
今回は同じものを含む順列ではなぜ"〇!(階乗)"で割るのかということを説明しました。"同じものを含む"というキーワードから"区別をなくす"考えができるようになることが大事かと思います。この記事を読んで同じものを含む順列をしっかりと理解しましょう。(この分野って言葉で説明するのが本当に難しいな... 分かりにくかったらごめんなさい...)