#9 因数分解の基礎 part1
今回の記事では因数分解のコツをお伝えしようと思います。入試問題になってくると#8の記事で説明した計算と今回の記事で説明する因数分解は出来て当たり前になってきますので、まず基本的なことである1)と2)をしっかりと理解してくださいね。
1)展開の逆をせよ!
(整数の積)=(単項式の和) のとき、例えば
(左辺)→(右辺)の変形を"展開"、
逆に、(右辺)→(左辺)の変形を"因数分解"といいます。
つまり、因数分解とは展開の逆の操作であり、基本的にこれまでの展開公式を逆方向に使えばいいのです。
例)
因数分解がどんなものなのか理解できましたでしょうか。
2)因数分解の基本的な手順
因数分解は基本的に次のような手順でするといいと思います。
①〜⑤を を例に使って説明していきます。
①実は公式そのまんまじゃないかチェック
←これは違いますね。
* などは公式がそのまま使えるので一撃でいきます。
②共通因数をくくり出す
共通因数"2z"がありますのでくくり出します。
③グループ化
{ }の中のを-2でくくるとが出てきますね。これで{ }の中はでグループ化できているのがわかりますでしょうか。
④降べきの順に並べる
③の過程で{ }の中がグループ化できましたので、今度はグループ化したについての降べきの順に並べましょう。
⑤たすき掛けor展開公式の逆
{ }の中は因数分解できますか?
かけて-15、足して-2の組み合わせです。-5と3がありますね。これで{ }の中を因数分解してみましょう。
もしわかりにくかったらなどと置いてみるといいと思います。
とすると
*Aは自分が勝手においた文字ですので最後は元に戻しましょう。
①〜⑤をまとめるとこんな感じです。
式の次数が高いと、公式など種々のテクニックが使いにくくなることが多いですので、文字の種類が複数ある場合は次数の低い文字について整理してみるといいと思います。難しい式になると、①から⑤のサイクルを何度かくり返して解くこともあります。
ここで1つポイントを述べておきますが、
「④降べきの順に並べる」を甘くみてはいけません。
その後公式を使ったり、たすき掛けをしたりすることになると思います。公式は普通降べきの順に並んだ形で覚えるでしょうし、たすき掛けも、2次→1次→定数項 と降べきの順に並べてから行うのが一般的です。だから、降べきの順に並び替えるということは、⑤たすき掛けor展開公式の逆 を正確に行うために必須の準備と言えます。
今回は因数分解の基本的なやり方を説明しました。次回は難しい因数分解の対処法について説明していきますので、この記事を理解してもらって次回も読んでもらえると嬉しいです。