#8 演算基礎
今回は高校レベルの数式を扱うに当あたっての基本的なポイントをいくつか紹介したいと思います。
超初心者向けに丁寧に書きましたので、計算ミスが目立つ人や計算が遅いな〜と思う人はぜひ参考にしてみてください。
1)指数法則
① が合わせて何回かけられているかな?
今回の場合はa+b回かけられていますので、になりますよね。2が3回かけられていたらになるのと同じです。
例) 今回は2が合計で7回かけられていますのでになります。
② これはとなっているためがb回かけられていますよね。よって①を利用するとで、が個あるのでになります。
例)
2)定数項は0次式
が1回もかけられていない項→が0回かけられた項→0次!
つまり、定数項(ただの数字)は、降べきの順では一番最後に書きましょう。
例)
このようにの降べきの順にした時は定数項は最後!
3)降べきの順(次数が高い順)に並べ、同類項ごとに計算する
例えばこんな式でみていきましょう。
例)
同類項にまとめる
まとめた後に計算する
降べきの順(xの2次→1次→0次)にすると、因数分解の時にわかりやすいです
4)変数、定数の区別
例)はxについての何次式で、係数は何ですか?
答)1次式で、係数はです。
まず、変数について考えていきましょう。今回の質問はについて問いかけました。"について"ということはを変数、つまり全体として"についての問題"として考えるということです。
この場合は残りののことを係数と呼び、、は7などただの数字と同じものとして考えます。この考え方は、他変数関数の最大値・最小値を求める時などに非常に大切になってきますので、ぜひ覚えておきましょう。
*多変数関数 例)みたいなヤツ。
となど、複数の変数が入った式のことです。
それでは問題です。
はyについての何次式で、係数は何ですか?
答)2次式で、係数はです。 もう大丈夫ですよね(笑)。
5)グループ化 (*正式な用語ではないです ご注意を! )
式の中で部分的に、同じ数式が現れた時に、それ全体を1つの文字のように扱うことによって見通しが良くなります。それでは例をみていきましょう。
例)
↑同じような数式を1つの文字のように扱う
ーを外に出し、展開しましょう
(x-y)をカタマリとして扱いにくい と思う方は(x-y)をAなどのように他の文字で変換してみるのがオススメです。
例)
とすると
ここまで計算したらAをに戻します。
置き換えで勝手に登場させた文字を残しておいてはいけません。
答)
どうでしょうか? もう1つ例を挙げてみます。
今度ははじめからグループ化を狙って展開していきます。
例)
との組み合わせで展開します。すると
似た式が見えましたね(下線部)
を塊と見て展開します。
*これもわかりにくかったらなど文字でおいても構いません。
何も考えずに前から順番に展開するのではなくグループ化することによって少しでも計算を楽にすると、ミスも減っていくと思います。あと、単純に前から順番に展開すると長くなりすぎてめんどくさいですよね。
6)代入は最後に!(面倒ごとは後回し)
例)の時、①の値を求めよ。
このような問題で、①の式にそのままを代入しようとする人がいますけれども、それは上記の5)で説明したグループ化をわざわざ解除してるのと同じことですので、絶対にやらないようにしましょう。
そのまま代入してしまうと結果として、式全体が長くごちゃごちゃしますので文字が消えたり、次数を間違えた、などといったミスの原因につながります。
ではいつ代入するのかといいますと、まず①の式を計算できるところまで計算します。そして、式を簡単にしてから代入しましょう。
下線部の同類項をまとめます。すると
とが消えて簡単な形になりました。
この簡単な形になってから最初に与えられたを代入しましょう。
この方が随分楽ですよね。
ポイントは式の形を整えてから代入することです。
7)忘れやすい公式!
ここでは皆さん忘れがちだけど重要な公式をいくつか紹介します。
1)
2)
3)
4)
最低限これくらいは覚えておきましょう。思っている以上に役に立ちます。
因数分解をするときに効いてきます!
8)パスカルの三角形
最後にパスカルの三角形の話をしようと思います。
パスカルの三角形を使えばの係数が簡単に求められます。
数字の並びがの展開公式の係数と一致するのです。
パスカルの三角形の作り方は周りを全部1にしてその下の行は上の隣合う数字を足した値を書きます。
例えば2段目が1と1になっているので3段目は1と上の1と1を足した2と1の1 2 1みたいな感じです。ちょっとずれてますけど下の図を参考にしてもらえるとありがたいです。
1 の係数
1 1 の係数
1 2 1 の係数
1 3 3 1 の係数
1 4 6 4 1 の係数
1 5 10 10 5 1 の係数
の係数に困ったときはパスカルの三角形を書いて参考にしましょう。
今回の記事では数学の計算が楽になったり、計算ミスをできるだけ減らすための工夫のしかたをいくつか紹介しましたので、しっかりと読み込んでもらって少しでも役立ててもらえると嬉しいです。
演算は数学の基本!侮ることなかれ!(笑)