医学生Gの数学ノート

スキマ時間で読める数学の記事を数学塾講師経験のあるメンバーがお届けします!

#2 解の公式の本質 (二次方程式)

二次方程式 ax^2+bx+c=0\ (a\neq0) の解は

x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

 

この公式は高校受験数学のヤマであり、とりあえず丸暗記した人も多いと思いますが…この解の公式、なぜこのような形になるのか考えたことはありますか? 今回はこの公式を題材に、二次方程式解くということの本質について考えていこうと思います。

 

まずは簡単な二次方程式から解いていきましょう。

x^2=3       二乗して3になる数はなんですか?

x=\pm\sqrt3       ぷらまいルート3です。

簡単ですね。次のレベル、あえて解の公式を使わずにいきましょう。

x^2-4x+1=0   二次方程式が現れた!

(x-2)^2-3=0   平方完成をします

(x-2)^2=3    二乗して3になる数はなんですか?

x-2=\pm\sqrt3   ぷらまいルート3です。

x=2\pm\sqrt3   移項して完成!

という感じで解くことができます。

 

ここで注目してもらいたいのは、二次方程式が二次でなくなる瞬間です。

「二乗して○○になる数はなんですか?」を考えることによって二次方程式が一次方程式に変わりますよね?

左辺を(\ \ \ \ \ \ )^2 の形にしてその平方根を考える。それが、二次方程式を解くということの本質であると私は考えています。

 

さて、このことを踏まえてこれから解の公式の導出をしていこうと思います。

公式の導出といっても特別なことは何もしません。

一般化された ax^2+bx+c=0\ (a\neq0) という二次方程式

これまで通り「二乗して○○になる数はなんですか?」作戦で解くだけです。

それではやってみましょう。

 

ax^2+bx+c=0\ (a\neq0)   二次方程式が現れた!

a(x+\frac{b}{2a})^2-\frac{b^2-4ac}{4a}=0    平方完成をします。

4a^2(x+\frac{b}{2a})^2=b^2-4ac     移項して両辺4a倍します。

(2a(x+\frac{b}{2a}))^2=b^2-4ac      二乗してb^2-4acになる数はなんですか?

2a(x+\frac{b}{2a})=\pm\sqrt{b^2-4ac}     ぷらまいルートb^2-4acです。

x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}     整理して完成!

 

見覚えのある式が出てきましたね。

ですから解の公式というのは特別な式ではなく、ふつう解いただけのもの。

ただ、ax^2+bx+c=0\ (a\neq0) の解が

x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} になる、と知っていれば

スタートからゴールまでワープできる。これが公式のすごいところです。

 

以上をまとめると、

二次方程式を解くということの本質は、

「二乗して○○になる数はなんですか?」を考えること。

解の公式を使えば、「二乗して○○になる数はなんですか?」の手順をすっ飛ばして

スタートからゴールまでワープできる

ということになります。

この記事を通して解の公式を身近に感じてもらえると嬉しいです。