医学生Gの数学ノート

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#3 ルートについて考える (ついでに二重根号も)

 二乗して2になる\sqrt{2}平方根)をはじめとして、三乗して2になる\sqrt[3]{2}(立方根)、そして{g(x)}^{n}=f(x)を満たす値域0以上の関数g(x)\sqrt[n]{f(x)}(n乗根)と書いたり、\sqrt{\qquad}にも様々な種類があります。(ビビらせてごめんなさい)

 が、その中でも今回は平方根の話と、それに関連して二重根号の外し方の話をしていきたいと思います。

 

まず平方根について説明します。

平方根とは何か、ルートとは何か  正しく説明できますか?

まず平方根について。

a=b^2であるとき、bをaの平方根と言います。

例えば4の平方根は、+2と-2の二つ、ということになります。

次にルートの話をしますが、先に言っておきます。平方根とルートは同じではありません!

 

 ”X^2=2 より X=\sqrt{2}“ こんな誤答、したことありませんか?正解はX=\pm\sqrt{2}です。

 なぜかといいますと、\sqrt{\qquad}とは、正負二つある平方根のうち正(+)の方だけを指す記号だからです。X=\sqrt{2} では二つ(+\sqrt{2}-\sqrt{2})ある平方根のうち、片一方(+\sqrt{2}だけ)しか答えていないことになります。

 

\sqrt{\qquad}の中が2のような数値なら間違える人は少ないと思いますが、ここが文字や関数になった途端、再びこのミスを犯してしまう人が多いですので注意しましょう。

ここまでのポイントは、\sqrt{\qquad}は正の数ということです。

 

 さらに実数の二乗は0以上なので、\sqrt{\qquad}内は必ず0以上であることも重要です。

正の数も負の数も二乗すれば正の数になります。二乗して負の数になることは普通ありえません。だから\sqrt{\qquad}内が負の数になることはないのです。そう、普通は…。

 

\sqrt{\qquad}内が負の数、例えば\sqrt{-4}の場合を考えましょう。二乗して−4になる数を示しますが、普通は(実数の範囲では)そんな数はありません。

ですがここで、普通でない数(複素数)を登場させていいのなら \sqrt{-4}=2i とかけます。

詳しくは数学Ⅱで学習しますが、二乗して-1となる数をiと定義することで、

\sqrt{\qquad}内が負の数になったらどうすんねん!」

という問題を解決できます。

( 例:\sqrt{-3}=\sqrt{3}i )なお、ここで登場するiを虚数単位といいます。

 

次に二重根号の外し方について説明していきます。

 これはよく公式として覚えてしまう人が多いですが、要するに\sqrt{\qquad}内で(\qquad\qquad )^2を作っているだけですのでこの仕組みを覚えておきましょう。そうすれば、公式の覚え間違いによる符号ミスなどがなくなります。

 以下、xとyを正の数とすると、

\sqrt{x+y+2\sqrt{xy}}=\sqrt{(\sqrt{x}+\sqrt{y})^2}=|\sqrt{x}+\sqrt{y}|=\sqrt{x}+\sqrt{y}

\sqrt{x+y-2\sqrt{xy}}=\sqrt{(\sqrt{x}-\sqrt{y})^2}=|\sqrt{x}-\sqrt{y}| 

*公式を使うときは内側の\sqrt{\qquad}の前に2があることを確認してね!

    2が無かったら式変形して頑張って2を作ります。

 

ここで、\sqrt{\qquad}を外すときに|  |をつけるのを忘れないように注意しましょう!

平方根のところでお話しした通り、\sqrt{\qquad}は正の数ですので、負の数にならないように|  |を使います。この絶対値の存在を忘れてしまう人が多いので、ルートの話に合わせて紹介してみました。

 

 

 

今回のポイントは、\sqrt{\qquad}は正負二つある平方根のうち正(+)の方だけを指す記号、よって正の数であるということ! これをしっかり理解してもらいたいです。

そしてそれに関連して、二重根号を外すときは |   | をつけるのを忘れないようにする、ということに注意してください。

 

この記事を通してルートの扱いに少しでも自信を持ってもらえると嬉しいです。